【商標燐寸紹介シリーズ 第5回】日の丸櫻・日の丸扇(ニッセンマッチ)【神戸燐寸】

燐寸・マッチ

商標燐寸紹介シリーズ第5回は、日の丸櫻・日の丸扇マッチ(^ω^)うぇーい。
少しややこしい商標で、現行品から考える場合、家庭小型も併せて見なければいけません。

まずは並型から、現在販売されているのは神戸燐寸からの「日の丸櫻」です。
今回写真を撮っているのは、まだ神戸燐寸が製造していた頃のもの(10年くらい前)なので、JISマーク付きです。
神戸マッチは、燐票(ラベル)の枠を取っ払うのが常(ハープ燕といい888といい、今はなきワシや鞄獅子なども)なのですが、日の丸櫻は今でも枠が残されています。

その理由は不明ですが、商標権の在り処なのかなと勝手に想像しています。
実は、販売は神戸燐寸ですが、商標権を持っているのは「日扇フーヅ」という会社なんですよね。
旧社名は「日扇燐寸」で、もともと燐寸製造会社だったところを、ドーナツを扱う食品会社になったそうです。

しかし、その日扇フーヅも、2022年2月に経営破綻したようです。1
別会社で事業継続ということですが、未だ(2024/05/18時点)ニッセンマッチの権利者が変わっていないのは、どういう状態なのか疑問です。
なお、日扇燐寸の商標は、他にも505(いわい印)燐寸などがあったようですが、実物はお目にかかったことがありません。(現存するかどうか怪しいですね)

さて、日扇といえば、そもそもは日の丸「櫻」ではなく日の丸「扇」でした。
家庭小型の方では、現行品は日の丸扇です。
商標としては、こちらの方が少しだけ古くからあります。

日扇もとい「ニッセン」マッチと言いますが、元を辿ると「日鮮」マッチ。
昭和12年、全羅北道を現在の韓国を日本が統治していた頃の商標ということです。
時代背景、日韓の過去を感じさせますね…(´・ω・`)

ところで、商標原型と比較すると、現行のラベルは大きく異なる部分があります。
扇の柄(親骨・中骨)の有無…は置いておいて。
左右の植物、特に右側ですね。

元の図案では、朝鮮ということもあって高麗人参らしきものが描かれています。
対して現行品では、なぜかパイナップルが(゚Д゚)
朝鮮色を消そうとしての図案変更なんでしょうかねぇ…。
(しかしどうしてパイナップルなんだろう)

家庭小型版のデザイン変遷や歴史を考えると、少々複雑な商標。
ですが、並型の日の丸櫻はシンプルに映える良いデザインだと個人的には思っています。

  1. JCNET 2022 「ドーナッツの「日扇フーヅ」/特別清算開始命令」【https://n-seikei.jp/2022/03/post-81585.html】(2024/05/18閲覧) ↩︎

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