前編に続きまして、本題の後編です。
少数ですが、燐寸の標本調査結果を以下に示します。
Googleスプレッドシートにてまとめました。
2024/03/06標本1ダース追加
前提条件
今回の標本は、少ないですが並型合計30箱です。
桃印18箱、燕・象印6箱ずつになります。
ロットは3種、購入時期は全て先月で製造時期の差異はそれほど変わらないものと思われます。
使用した測定機器は全て中国製の安物ですが、複数の分銅にて校正済み。
また、3台体制で平均を取っているので、一定の信頼性は担保できていると思います。
その他測定条件は、上資料内の通りです。
さて、結果はどうでしょう…(゚Д゚)
入本数
30箱の入本数は、合計1247本でした。
1箱あたりの平均は、約41.6本です。
JISの基準である最低入本数が37本、標準入本数が45本であることを考えれば、丁度間くらいの本数ですね。
しかし、ばらつきは結構あります。
少ないものは37本で、多いものでは46本のものがありました。
JISの最低入本数ギリギリですねぇ…そもそもJISに則っていると謳っていないので、切っていても文句は言えないのですが(笑)
燐寸棒の重さ
30箱の燐寸棒合計重量は、177.88gでした。
1箱あたりでは平均5.93g。
1本あたりとすると、約0.1426gです。
特記すべきは、最大値と最小値の差が大きく、6.49g-5.37g=1.12gも違ったというところでしょう。重さは燐寸の本数を予想するファクターなわけですが、この差はかなり大きいものです。
1.12÷0.1426≒7.85で、約8本異なる可能性があるわけですからね。
箱の重さ
燐寸棒に対し、箱の重さはばらつきが少ないです。
合計重量129.98gで平均は約4.33g、最小値の4.28gに対して最大値は4.4g。
標準偏差が0.03程度と、個体差はほとんどありません。
内訳として見れば、抽斗部と外箱部に分けられますが、いずれもほとんど同様の値です。
側薬の塗り(茶色の赤燐面)によって多少個体差がでるかと思っていたのですが、それはほとんどなさそうです。
どちらかというと、抽斗でのブレからして、紙の坪量誤差が影響しているのでしょうね。
1箱全体の重さ
1箱全体で見ると、合計307.79gで平均は約10.26g、最小値の9.7gに対して最大値は10.86gでした。
やはりばらつきが燐寸棒の差異によって大きくあります。
これらの値を総合し、燐寸の入本数を考えてみましょう。
1箱の燐寸入本数を予想する
ある燐寸が1箱あったと仮定し、その重さをxとします。
すると、以下の式でおよその値が求められるはずです。
(x-4.33)/0.1426
1箱の重さから箱の重さを引き、燐寸棒のみの重さを割り出す。
そしてその値を1本あたりの平均重量で割り、本数を求める。
そのような形になります。
陳列された燐寸の入本数を予想する
陳列された状態であれば、シュリンクの重さも加味しないといけません。
1ダースパックで約0.7g、半ダースパックで約0.45gですね。
以下の式でそれぞれ求められるはずです。(X=全体の重さとします)
(X-52.7)/0.1426 (X-26.4)/0.1426
これで、購入するときに燐寸の本数が予想できますね(゚∀゚)タブン
不良軸もある
ただ、中には不良軸もあります。
今回の標本では、1247本中28本が不良軸で、その率は約2.245%でした。
本来は、これは入本数から除外すべきな気がしますねぇ…。
不良軸は、使おうとすると結構危険ですからね。
総括
さて、燐寸の本数を予想しようという馬鹿げたことを今回はまとめました。
中学時代からの因縁です(笑)
中学生の頃にも、燐寸の本数をどうすれば数えられるんだと考えていたことがありました…アホダ。
今回は、その因縁をある程度果たせたのかなぁと思います。
(X-52.7)/0.1426 (X-26.4)/0.1426
この式で、兼松日産農林から日東社が受け継いだ桃印・燕印・象印(馬首も)の本数はある程度求められるのではないでしょうか(・ω・)
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